いつか恩返しを

子供がまだ小さい時、手を貸してくださる人がいたのは私にとって本当にありがたいことでした。当時、幼稚園の年少だった上の子を園まで送って行く時、雨が降ってしまうとそれは大変でした。まだ1歳ちょっとの下の子をベビーカーに乗せ、レインカバーをかけ、そのベビーカーを押すと私は傘をさせません。レインコートを着てフードをかぶるのですが、そうすると視界が悪くなり、幼児を連れて幼稚園までの道のりを歩いて行くのは、危険もともなうので心配でした。
そんな時、マンションの同じ階に住むSさんは、私たちの登園時刻の頃に外の廊下に出て待っていてくださいました。そして下の子に「おばちゃんの家で待ってる?」と聞いてくださるのです。下の子は優しいSさんが大好きでしたから、喜んでSさんの家で待っていました。朝起きて雨が降っているとおもちゃの入っている小さなバッグを持って「Sさんのおうちで待ってる」と自分から言うほどでした。下の子を預かっていただけるだけでどれだけ登園が楽になるか、本当に助かりました。
子供が病気になるとまた大変です。お医者さまが往診をしてくださるのは良かったのですが、お薬をいただきに行かなくてはなりません。病気の子をおいていくのが心配で、Sさんにちょっとだけ見ていてくださいませんか?とお願いしたことがあります。Sさんは「お母さんはそばにいてあげたほうがいいから」と、薬局まで薬を取りに行ってくださいました。
いつも嫌な顔ひとつせず、それどころか、小さい子がかわいくてたまらないという笑顔で見てくださいました。その笑顔にどれだけ助けられたかわかりません。みんな通った道だからとおっしゃるSさんには感謝してもしきれません。Sさんも私もそのマンションから引っ越して遠くに離れてしまいましたが、今でも年賀状のやり取りは続いています。私がSさんのお役に立てることはないかもしれませんが、かわりに私ができることを、助けを求めている方達にしていけたら、それが私の恩返しだと思っています。
冠婚葬祭マナーコンシェルジェの日記 by Fuwari マナーおつきあい

















