
田舎と家の行き帰りは、主人の運転で自動車をつかう方が多いのですが、今回は私一人での帰宅なので、電車、バスをつかって帰ります。車窓から見える景色は、行く時と様子も変り、少しの間にも移りゆく季節の流れを感じます。家の近くの駅よりバスを乗り継ぎ、私はもう少しで家に帰れるのだと安堵の念が胸に広がり、バスに乗ると乗客は数人なので、またまた嬉しくなります。後ろ座席は一段、二段と高くなっていますが、荷物が大きいので2人掛けを1人で座り、他の人もまばらに広々と腰を掛けます。出発して2駅、3駅と行くうちに混みあってきました。席の空いている所が無くなってきそうですが、後ろの方では席を詰めようとしません。私は大きな荷物を膝の上にのせますと、前の入口付近の座席に座っていた1人の女性が、足の不自由な年配の男性に席を譲り、足早に後ろの方に歩きながら、私の荷物をどけた席に座りました。“早く膝にのせておけば良かったのに”と私は自分の心の中で話します。女性は少し頭を下げて座りました。それから2駅ばかりのバス停でその女性はさっと立ち上がり、「席を譲ってくださりありがとうございました」と私に言ってバスを降りてゆきました。とても短い間の思いがけないことでした。清らかな風がフゥーっと吹いていった気がします。自分への反省と素敵な女性に出会い、良かったと心から思いつつ家路を急ぎました。
冠婚葬祭マナーコンシェルジェの日記 作者 コーラルピンク カテゴリー マナー
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イラスト : バス