「ありがとうございました」「いいえ、お気をつけて」
(JR山手線を下車する際の二人のあいさつです)
杖をつきながら私へのあいさつに、私もにこやかにお返しです。「受けたら返す」「人にされて嬉しいことは、こちらもしましょう…」と、乗り合わせた電車の中で空いているシートに腰を掛けた折のことです。杖をつきながら、男性が乗り込みました。私はすかさず立ち上がり、「どうぞ」と声を。電車は発車しています。「停車してからがよろしいですね。」と声を掛けますと、隣りの男性が、「次で降りますので」と立ち上がります。向かいの座席の彼のそばに近い男性も同じく立ち上がります。杖をつきながら、後から立ち上がった彼の近くのシートにお座りです。私は安心して腰を下ろします。目の前の若い女性は二人とも携帯に夢中で、気が付かないのでしょうか、心にゆとりが無いようです。電車での一コマ。気が付いたら声を掛け、態度で示します。私の声に促されるごとく、自然に二人の男性が立ち上がります。やさしい心遣いはここにもありました。
杖をお使いの男性は下車する際、私の方へ不自由な体で歩み寄り、私に感謝の笑顔とお礼の言葉を放って下車されました。ホットな気分で別れたひと時、日常の中でのさり気ないやり取りは心をあたたかくする潤滑油でもあります。専門学生による感想文の中で、彼女たちの大切にしていきたいことの一つに公共のマナーがありました。学んでみて、今まで以上にお互いに気持ちよく過ごせるよう気をつけたいとのこと。車中での化粧、携帯、座り方、荷物の抱え方など…と、人に迷惑を掛けない為に、席を譲る思いやりも加えて…
ホットな潤滑油はつかの間。お互いやさしい気持ちになります。
冠婚葬祭マナーコンシェルジェの日記 作者 Rainbow カテゴリー マナー