先日の電車の中での出来事です。私はドアから3番目くらいの席に座っていました。ある駅で数名の人達が降りて行き、かわりに何人かが乗り込んできました。その時、あとの方で乗ってきた人が何か叫んでいます。何事かとそちらを見ると、網棚にあったパンやさんの紙袋を手に取りながら「どなたのですか?」と聞いています。網棚の真下の先があいたのに荷物が残っていたので不思議に思ったのでしょう。誰も何も言いません。つまり持ち主はいなかったのです。それを確認したその人は「きっとあの人達の忘れ物ですね」と誰に言うでもなく声にだすと、その紙袋を持って降りていきました。そして「○○の買い物、忘れた方はいませんか?」と大きな声で聞いていました。その後どうなったのかは知りません。電車が発車してしまったので最後まで見届けることができなかったからです。
私はしばらくその人のことを考えていました。年配の会社勤めの方だと思います。その人にも用事がおありでしょうに、誰かわからない人のためにわざわざ電車を降りて探すなど、なかなか出来ることではないと思います。私ならどうしただろうと考えてみました。たぶん、そのままにしてしまっただろうと思います。紙袋を網棚に上げたところを見ていて、どの人の荷物かわかっていたら教えてあげようと思ったかもしれませんが、その場合でも電車から降りてまで追いかけて行けたかと思うと自信がありません。
もし、持ち主にその紙袋が届いたら、持ち主はさぞ嬉しかっただろうと思います。しかし、もし見つからなくて駅員さんに届けられて遺失物扱いになったとしても、それは決して無駄にはならないと感じています。少なくともあの車両に乗り合わせて、ことの顛末を見ていた人達は暖かい気持ちになったと思うからです。人が親切にしているところ、されているところを見るのは見ているこちらも幸せになります。私も小さくてもいいから幸せを届けられるように行動していきたいと思った出来事でした。
冠婚葬祭マナーコンシェルジェの日記 作者 Fuwari カテゴリー こころ豊かに
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