
先日、私たちの結婚に際し、仲人を務めてくださった大学時代の恩師のお宅に招かれました。お招きの趣旨は‘新婚旅行のお土産のワインを皆で飲みましょう’というもの。あの当時すでに年代物、私たち夫婦は春に銀婚式を迎えたのでいったいどんなことになっているのやら。
お目当てのワインはシャトー・ムートン・ロートシルト、1970年物です。今でこそワインのラベルに絵画が用いられることは珍しくなくなりましたが、ムートンはその先駆けとなったワイナリーでした。ピカソやミロ、ウォーホルなど、ボトルは著名な芸術家の作品で飾られました。私たちが買い求めた年はマルク・シャガールの絵です。(今ちょうど上野でシャガール展が開催されています。)
あの時、新婚旅行先のパリで買い求めた時点ですでに15年物。それから25年を恩師の家で過ごし、つごう40年の時を経て眠りから覚めるのです。ワインはあけるとすぐ酸化が始まるということで、グラス、お料理と準備万端ととのえて、いよいよコルクを抜きました。
奥様が作ってくださったローストビーフとそれはそれはよくあって、食事をますますひきたててくれる深い味わいのワインでした。一口目より二口目とだんだんに味がなじんでおちついてきます。私のようにワインに詳しくないものにもその変化は感じとることができました。
食事の途中で私たちの結婚式の写真(集合写真と2人の写真)まで出してきてくださったのには驚きました。もう何年も見ていない写真です。懐かしくもあり、気恥ずかしくもありです。ご無沙汰ばかりの私たちですが、銀婚式を覚えていてくださって、そのお祝いをしてくださったのだと。そのためにあのワインを大切にとっておいてくださったのだと、幸せな気持ちになった夜でした。
冠婚葬祭マナーコンシェルジェの日記 作者 Fuwari カテゴリー おもてなし心
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フォト : シャトー・ムートン・ロートシルト