水色

夏の色彩の中でも、水色は古来よりその鮮やかな色に目をうばわれたようです。日本では特に好まれてきました。水には色は無いのですが、水面にうつる空の色、波間にうつる天の色をうつし、水色として目にうつるのです。七色の中でも、空気中の粒子が細かければ細かいほど太陽光の散乱により、それは青い空となり、私達の目にうつるのです。青い空を見上げると吸い込まれそうであり、大きな希望と勇気をもらえそうです。そして暑い夏の日に、水色や藍、インディゴ、ミッドナイトブルー、そうした色彩が私達に冷風の心地よさをかもし出してくれるのです。
「日本の藍染展」で、いつの日だったでしょうか、藍の種を致き鉢にまいたところ、一斉に芽を出し、やがて20cmほどに生えそろいました。これを摘み、煮出し染めると水色に染まります。そこまでせぬうちにもう少し大きく育つと信じていたところ、虫に見事に食べられてしまいました。この展示会では、水色の淡い瓶覗、水色、そして濃紺へと日本の藍の歴史を始め、役割、技法、また夏の着物・帯、江戸火消しの半天、汗ものよけ、虫よけを利用しての赤ちゃんの肌着、また食品等素晴しい展示会でした。色は染まる時間の差・手法により微妙に変化し、その違いが絵にも云われぬ色彩となって楽しませてくれます。子供の頃、夏になると水色のワンピースを着せてもらいました。胸のところに小さなピンクの小花のスモック刺繍のあるちょうちん袖のものでした。水色は空の青さや海の波間を思いおこさせ、暑い日差しをさえぎってくれる色として、私達を冷気の世界に誘ってくれます。地球温暖化の進む中、空内のしつらいに衣服に水色を取り入れてみてはどうでしょうか。ガラスの朝顔型のぐい飲みは、白く透き通り、マーブル模様の水色の線が二、三本横に流れています。色には共通の言葉、イメージを伝える力を持っています。その力を借りて、古来より美しく、また健康的に暮らして来ました。色彩を通して、歴史や文化を顕彰し、季節の中の彩りを楽しみながら過ごしてゆけたらどんなに良いでしょうか。
“藍の麻のれんが、ほそい勝手口より風に吹かれ、渡り石に苔むした裏庭が見え隠れする、打ち水をした風が「夏もまんざらではございません」とすましたふうにのれんをくぐりながら、日本の夏を伝えゆく場面が頭のどこかに浮んで来ます。”
冠婚葬祭マナーコンシェルジェの日記 作者 コラールピンク カテゴリー 日本の色
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イラスト : 朝顔